369daysのROOF TOPIC
第10回
名古屋・松坂屋の屋上遊園地
「スカイランド」店長の
田中さんにインタビュー!

この記事は フリーペーパー『屋上とそら』Vol.44に掲載された「369daysのROOF TOPIC 第10回」の完全版です。

新しい建物が次々と誕生し、進化し続ける名古屋・栄。変わりゆくこの地に、変わらない場所があります。1910年、栄町にデパートメントストア「いとう呉服店」として開業した当初から屋上庭園の子供用ブランコで人々を楽しませてきました。その後1925年に南大津町(現在地)に移転した後も屋上遊園として変わらず人々を楽しませています。
今回から2号連続で特集するのは松坂屋名古屋店の屋上遊園地「スカイランド」。第1弾となる今回は、スカイランド店長・加藤工業株式会社の田中さんにインタビューを行いました!

店長の田中さん

スカイランド店長の田中さんへ
インタビュー

加藤工業株式会社はいつからスカイランドを運営しているのでしょうか?
松坂屋関連の会社から運営を引き継いで、1988年4月28日から運営しています。今年33年目ですね。
田中さんはいつからスカイランドで働いているのですか?
30年程前からです。それまでは別の仕事をしていたのですが、たまたま自分の子供を連れて遊びに来ていたら、園長をやっていた知り合いから「ちょうどスタッフを募集しているから働かないか」と声をかけられて。自分の子供や他の子供達が楽しそうに遊んでいるのを見てここで働きたいと思い、勤めていた会社を辞めて働き始めました。
田中さんも子供の頃、屋上遊園地で遊んでいましたか?
福井県の敦賀出身なので、敦賀に昔あったデパート「観光センター」の屋上遊園地に時々連れて行ってもらいました。屋上に20台程の遊具が並んでいて・・・楽しかったなあ。後年、その斜め前の氣比神宮で妻と結婚式を挙げました。
スカイランド、イチオシのアトラクションは何ですか?
「GoGoアンパンマン」というミニ列車ですね。4人家族でも一緒に乗れて楽しいですよ。売り上げもトップですね!線路も含めて1,800万円程したと思いますが・・・。

スカイランドで祖母と「GoGoアンパンマン」に乗るmikko。(2017年撮影)

「GoGoアンパンマン」!2017年にも祖母と一緒に乗りました(笑)落ち着いたらまた一緒に乗りにいきたいな~。スカイランドから見える中で好きな景色はありますか?
MIRAI TOWER(旧・名古屋テレビ塔)です。遠方の方や屋上遊園地ファンの方もよくMIRAI TOWERをバックに写真撮影していますね。
以前は、2018年に閉店した丸栄百貨店の屋上も見えていました。丸栄百貨店に昔あった屋上遊園地も、丸栄百貨店から引き継いで加藤工業株式会社が運営していたんですよ。お金があれば屋上遊園地をオープンするのは可能なのですが、遊具のメンテナンスや入れ替えにお金がかかりますからね・・・続けていくのは難しいんです。
田中さんがここで働いている33年間で特に印象的なことは何ですか?
テレビ撮影が来たことです。撮影に立ち会ったことも思い出ですが、テレビで放送されると「あの番組見たよ!」と言って多くの人が来てくれるのが嬉しいんです。3年程前はテレビ放送の効果で売り上げが前年比180%くらいありました。有名人がプライベートで子供を連れて来てくれることもあります。
スカイランドで開催したイベントの思い出はありますか?
昔は屋上にステージがあったから、キャラクターショーをやっていました。キャラクターショーをやると子供が200人程見に来ることもありました。小さい子は場所とらないからたくさん入ったんですね(笑)ミニ四駆やチョロQのレース会場になったことも懐かしいです。
スカイランドが閉園するらしいという噂を何度か聞いたことがあるのですが・・・
私がしょっちゅうそう言っているんです(笑)私もうすぐ70歳なんですよ。働き始めた頃は55歳が定年だったんですけれど、60歳近くになると60歳まではやってくれと会社に言われ、いつの間にかそれが65歳までになって次は70歳までになって・・・どんどん延びているんです。こうなったらもう、やれるところまではやりますよ!
お客さんに言われたことをポロッと忘れてしまうことも時々ありますが、クレームをつける人がほとんどいないのも働きやすい理由です。お客さんはここに笑いに来ている。屋上遊園地というのは笑顔あふれる場所です。
長く働いていると、子供の頃に来た人が大人になって子供を連れて来てくれるのが嬉しいですね!私のことを覚えてますよと言ってくれる。女の子は綺麗になりすぎて分からないこともあるんですけれど・・・(笑)

店長としてこれからやりたいことはありますか?
新型コロナウイルスの影響でお客さんが減少しただけでなく、遊具の修理が出来なくなっています。加藤工業株式会社の本社は大阪だから、なかなか名古屋には修理に来れなくて。コロナが終息した頃に子供達に安心して遊んでもらえるよう、遊具の修理を進めていきたいです。
そういえば去年の秋頃、大きい部品が本社から送られてきて、ずっと止まっていた遊具が何台か動き出しました。閉園したお店があるとそこで使われていた遊具の部品が送られてきますので、ならファミリーの「ハーモニーキッズ」(※42号で特集した2020年11月に閉園した屋上遊園地。スカイランドと同じく加藤工業株式会社が運営していた。)からもおそらく部品がきているでしょうね。
お客様へのメッセージをお願いします!
来年の5月の連休にはコロナが終息していたらいいですね。お弁当を持ってここに来て、太陽の下みんなで遊んでください!
昔は本当に賑わっていて、人手が足りない時は自分の息子や妻にも手伝ってもらっていました。妻が手伝う時は松坂屋で色々買い物をしないといけないからお金がかかっていたなぁ・・・(笑)
コロナが終息したらまた忙しくなりそうですね!「屋上とそら」も何かお手伝いできることがあれば言ってください!
はい、その時は宜しくお願いします!

次号では、松坂屋名古屋店屋上遊園地の111年の歴史に迫ります!

文:mikko・milford(369days) 写真:堀江浩彰 
Special Thanks:加藤工業株式会社 株式会社大丸松坂屋百貨店 一般財団法人J.フロント リテイリング史料館
参考資料:「松坂屋史料室企画展vol.41 松坂屋・屋上遊園地の歴史」

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mikko みっこ

大学の卒業論文で遊園地について書くほど遊園地が好き!珍スポット、レトロスポットも大好き!「永原さくら」という名前で、アニメソング・ゲームソングの作詞をしています。

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遊園地や旅行で街を巡ること、猫、片付けが好き!